渋谷
不思議な町だ。
これだけ大勢の人と一度に会える場所はなく、
これだけ人が遠い場所もない。
肌すれすれまで接近し、
触れ合うことなくすれ違っていく、
紙一重の出会いたち。
僕は今渋谷のスクランブル交差点を見下ろすスタバにいる。
東京を象徴する場所。
誰もみな人なのに、ただの景色のように見え、
ただの景色が、実は命尊い人だったりする。
景色が人に見えた時、
やっとこの町が有機物になる。
人の大群を血液に例えてみよう。
渋谷を流るる血液は、
この町を活気づかせる。
だとしたら町は何?
意志はどこ?